夕方のスーパーのレジ。
ポレの前に並んだお婆さんの番で
詰まっている。
どうしたどうした?
覗いてみると、お金が足りないようだ。
ほんの少し足りない…でもなさそうだ。
ひとつやめたらセーフ…でもなさそうだ。
伝わらなくて困ってる店員さん。
打ち直すには時計がねえ…繁忙時間だ。
困ってる店員さんを見て困るお婆さん。
思考停止してるっぽい。
私の後ろから他のお客さんが撤退していく。
どうする?どうします?
「ねーねー、おばあちゃん、あたしちょっと手伝うよ」
足りない分をヘルプした。
見ず知らずの主婦から言われたら
相手も困るよなあ。
でも、年を重ねりゃいろんな困ったがある。
と、想像する。
『子ども叱るな、来た道ぞ。年寄り笑うな、行く道ぞ。』
『袖すり合うも多生の縁』
『情けは人のためならず』
いろんな言葉が私の引き出しから飛び出す。
これで善いかはわからないけど、
とりあえず困った人を二人お助けしましたよ。
閻魔帳にちゃんと書いてもらえたかな。
(このへんが俗世の煩悩です)