姪を憂う

 

歯痒く思うが私には責任を取れない

 

 

 

家族と折り合いが悪くて

義父母のところに姪が来ている

 

身なりに無頓着で外出が嫌いな姪を

義母に頼まれて連れ出し

健康ランドで一緒に風呂へ入る

 

髪の毛の洗いかた

湯船に髪の毛をつけるな

入る前にかけ湯しろ

出たら身体を拭け

 

長い髪の毛を結ってから

ごはんを食べなさい

 

 

お金を払ってもらってあたりまえ

運転してもらってあたりまえ

通訳されてあたりまえ

 

車内で足を組む

鼻で笑う

ため息をつく

舌打ちをする

ありがとう言えない

ごちそうさま言えない

困ったから手伝ってと言えない

ただ与えられるのを待つ

 

 

育てた親の顔が見てみたい

でも私 親の顔 知ってる

 

年齢的には高卒の姪

グレーゾーンの手前

ほんの少し理解が遅い

私にはほんの少しに見えるけど

一緒にいる家族はどう感じているのだろう

 

 

幼い頃に出来なかったことは

多かったのだろう

嫁姑のこじれもあったのだろう

年の近い弟とも比べたのだろう

周囲と比べて悩んだのだろう

色々な手を尽くしたのだろう

 

でも

もっと別の何かをしてあげられたのではないか

 

勉強や運動や学校生活は

親も本人も

思い通りではなかったのだろう

 

でも

伝えるべきことは

他にあったのではないか

 

 

年に何度かしか会えなかったけど

彼女には彼女の良いところが

たくさんあったのに

すっかり塗り潰されて

ただの礼儀知らずで

他者のアドバイスに耳を塞ぎ

自分を卑下してその場をごまかす

もうすぐハタチの子供様が

完成してしまったと

もう諦めてしまったのだろうか

 

 

私は彼女の親にはなれない

かといって

何も見なかったことになんか

出来やしない

 

新しいブラシとヘアクリップを贈って

挨拶と清潔だけは心掛けなさい

口煩いおばちゃんの言葉を届けたくても

彼女の目には届きませんでした

 

親の横っ面を殴ってやりたい

どうしてここまで放置したんだばかやろう

ほんの何年か前まで

姪の目は心に繋がっていたのに

 

 

親に直接言いたいけど

専門家でもない 血の繋がりもない

自分の家族だけで精一杯の

最終責任なんて取れない私の言葉が

伝わるとは思えない

 

上手く伝えられなかったら

ただの悪手になっちまうと思うと

何もできない

 

 

松江塾で学び直してごらん

親指先生に相談してみたら

と言いたいけど

あの家Wi-Fi無いんだよなー

弟の嫁の言葉なんて

どーやったら伝わるんだろ